2026年のH-1Bビザ最新動向 — 日本からアメリカ就職を狙うあなたへ

米国のH-1Bビザ制度は長年「ランダム抽選(Lottery)」で知られていましたが、昨年(2025年) の大統領令により大幅な制度変更がなされました。以下では、現時点での2026年以降の就職/採用戦略に直結する最新情報を解説します。

H1B 2026

1. ランダム抽選(Lottery)は見直しへ

これまでH-1Bは、応募数が上限を大きく超えるとランダムに選ばれる仕組みでした。しかし、米国国土安全保障省(DHS)とUSCISは、2026年2月27日付けで新たな選考プロセスを導入すると発表しました。新制度では

  • 完全ランダムの抽選は見直し
  • 給与額・職務の質に応じて選考の優先順位を付与する方式

になります。
つまり、同じような応募だとしたら、より高い給料や高度な専門性を提示した申請者に当選確率が高くなる仕組みに変更されます(Ref: USCIS)。

このため、応募時に給与水準を高く設定することがより重要になってきます。

※ 本制度は2026年以降の導入が予定されているもので、最終的な運用は今後の正式発表により変更される可能性があります。

2. H-1B申請関連費用が$100,000

2025年9月の大統領令に基づき、新規H-1B申請に対して最大で年間$100,000の追加費用が課される可能性がある新ルールが発表されています。これは従来の申請費用(一人あたり数千ドル程度)から大きく増える負担で、企業への影響も大きく議論されています(Ref: USCIS)。

USCIS(U.S. Citizenship and Immigration Services, 米国移民局)によれば、

  • この追加費用は 新規申請時(海外から入国する場合やコンソラー処理を求める場合)に適用されます。コンソラー処理(Consular Processing)とは、米国外(日本など)にいる人が、在外アメリカ大使館・領事館でビザ面接を受け、ビザを発給してもらう手続きのことです。
  • すでに有効なH-1B保持者や、米国内でのステータス変更・延長の場合、滞在資格を有している限り適用されません (Ref: BakerHostetler)

※ 米国商工会議所などがこの$100,000費用の合法性について裁判で争っているため、今後変更される可能性があります(Ref: The Economic Times)。

3. ビザ申請プロセスでのSNS審査が強化

ビザ審査において、ソーシャルメディア(SNS)の監視とオンラインプレゼンスのチェックが正式に拡大されました。2025年12月15日以降、H-1Bおよびその配偶者(H-4)の申請者はSNSを“公開設定”にすることが推奨されると発表されています(Ref: Travel.state.gov)。実際に、面談予約の取り直しや処理遅延の報告が増えています。投稿内容の整合性が審査で重要視される傾向が出ており、正確さと一貫性を保つことが推奨されています(Ref: FBT Gibbons)。

どこまでを公開すればいいのか?という疑問が出ると思いますが、USCIS/国務省が求めているのは「公開=全部オープン」ではなく「透明性と一貫性」です。実務的には、
公開用アカウントを最低1つ持っておく(LinkedIn / X / GitHub など)

  • 職歴・技術・活動が見える
  • 投稿数は少なくてOK

その他の私的アカウントは非公開のまま(Instagram / Line など)

  • 過去投稿はそのまま
  • 無理に公開しない

で問題ありません。公的に説明できる顔があることが重要です。また、投稿が日本語だけでも問題ありません。現行の米国ビザ審査ガイドラインでは、SNSについて「すべての投稿を世界中に公開しなさい」という具体的な文言はなく、政府は「SNSの公開設定(public)にして、審査者が閲覧可能な状態にせよ」と指示しています。

※ 現行ガイドラインでは、SNSの「公開設定」を求める記載はあるものの、過去投稿の全面公開を義務づける文言は存在しません(Ref: U.S. Department of State)。

4. 2026年以降スケジュールに注意

USCISによる2026年度(FY2026)のH-1B上限はすでに到達/締切済みですが、2027年度の枠組みと抽選・選考プロセスから新制度が適用開始予定です(Ref: USCIS)。 つまり、

  • 2026年3月の登録から変更点が完全反映される可能性が高い
  • 採用企業側は今(2026年1月) から準備が必要です

引き続き、USCIS の最新情報を追っていきましょう。

まとめ

以下にポイントをまとめます。

1. 高給与・高スキル提案が重要
給与水準や専門性が選考で有利になるため、企業とのオファー交渉ではその辺りも考慮に入れましょう

2. 追加費用の理解と企業側負担の確認
$100,000の費用負担は、特に中小企業やStartupにとっては、かなりの負担になります。「1」と合わせて条件交渉の際に考慮に入れましょう

3. SNSの見直し
面談前にSNSを整理しておき、プロフェッショナルかつ問題のない内容にしましょう

4. 最新ルールの動きを注視
法的争いの結果、制度変更が一部遅れたり、裁判所の判断で差し止めになる可能性もあります。USCISで最新情報を追いましょう

今回の変更によって、企業側にも申請者側にもかなりの負担が増加することになりました。しかし、今までのH-1B が抽選制度による「運ゲー」だったのに比べると、十分な年収のオファーを受け、申請費用のバックアップも得られる、実力十分な有力な候補者にとっては、むしろ歓迎すべき変更といえます。いずれにしても、今後は準備と戦略がより重要になってきます。企業との交渉、オファー内容の設計、ビザ申請のタイミングなど、全体のロードマップを描く力が成功の鍵です。最新情報は逐次アップデートしていきましょう!

免責事項
本記事は、公開されている米国政府(USCIS/米国国務省)および移民専門家の情報をもとに、一般的な傾向や考え方を整理したものです。ビザ制度や運用は頻繁に変更される可能性があり、また個々のケースによって適用や判断が異なる場合があります。本記事の内容は法的助言を提供するものではなく、具体的な申請や判断については、必ず米国移民弁護士や公式情報をご確認ください。